しつけの本では何故うまくいかないのか?
多くの方が(そしてここをご覧になって頂いているという事は、おそらく全ての方が)・・・
「しつけの本の通りにやったけど、うまくいかなかった・・・」
・・・という経験をなさっているのではないでしょうか?
うまくいかない理由
「しつけの本」には、別に嘘が書いてあるわけではありません(中にはあるかも知れませんが・・・)。
ただ、そこにはあくまで「一般的にうまく行く可能性が高いと、著者が考えている手法」しか書いてありません。
そもそも「正解」があるのなら、世の中に数えきれないほどの「しつけの本」が、存在するわけがないですしね^^;
この時点で、その「しつけの本」でうまく行く可能性は、もともと大して高くはないのです。
しかも、犬のサイズ・年齢・性格・気質・・・などを考慮していないので、うまく行く確率は更にさがります。
むしろ上手くいくほうが稀で当たり前なのです^^;
コマンドを教える「しつけ」
「しつけの本」が扱う「しつけ」にも色々ありますが、「オスワリ」・「マテ」・「ツケ」などの、いわゆるコマンドを教える「しつけ」。
運良く「しつけの本」の手法で、オスワリやツケを教えられたとしても、それはまだ「曲芸」の域をでず、「しつけ」ができたわけではありません。
何度も繰り返しますが、「しつけ」とは「社会での望ましいふるまいを教えること」であり、それを教えるのは飼主さんです。
「オスワリ」・「マテ」などのコマンドは、そのための手段に過ぎず、「犬のしつけが出来る飼主」にならない限り、「しつけ」はできないのです。
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犬の習性や本能を理解する
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犬の感情を読み取る
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飼主としての心構え・望ましい振る舞い
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その犬に合った接し方・教え方
そう言った最も大切な視点を無視した「しつけの本」を、何冊も手にして何とかコマンドを教えるのに成功したとしても、それは「しつけ」ではありません。
結局のところ、殆どの「しつけの本」は、一方的に犬に曲芸を教えるハウツー本にしか過ぎないのです。
※もちろん全ての「しつけ本」がそうだとは言いません。上に挙げた様な大切な視点について書かれているものもあり、参考になるかと思います。
「しつけ」で重要なのは、「犬を特定の鋳型にはめる」ことではなく、「犬の飼主としての力量」のスキルアップです。
何度も言いますが、コマンドは「相互の理解と信頼を深め、そしてまた望ましい振る舞いを教える手段」に過ぎません。
極論すれば、コマンドを覚えたかどうかなどは二の次であって・・・
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教え方が犬にとって負担になっていないか?
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犬に分かるように伝えられているか?
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今、犬はどう感じているか?
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自らの行動に問題(威圧的だったり、苛立っていたり)はないか?
・・・などなど、「相互理解」と「飼主としての力量アップ」に主眼を置いてトレーニングすることにこそ意義があります。
多くの「しつけの本」は・・・
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「コマンドを教える小手先のテクニック」にばかり目を向けさせてしまい
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コマンドを覚えさせたことで「しつけ」ができたと勘違いさせ
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本質的な部分を忘れさせてしまう(そもそも触れない)
・・・という弊害をもっています。 これもまた「しつけの本」で「しつけ」がうまくいかない理由の一つでもあります。
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